「踊るぞ」
周様は、それだけを言って、わたしの手を取った。
周様とダンスが出来るホールの中心部分に入ると、ざわっとされる。
その中で、まだ誰とも踊ってないのにと聞こえた。
他に踊りたい人いなかったのかな?
踊り方は分らないので周りを見てなんとなく、後は周様にエスコートされるがままに踊るけど、周様が上手いからたぶん、踊れている。
「何を話してたんだ」
踊りながらわたしにだけで聞こえる声で尋ねられる。
わたしを見る周様の目には、優しさが全然なくて支配的なものだ。
「昔、会った事有ったねって」
「そうなのか」
「はい。周様は、わたしと御影くんが話しているのが気になったんですか?」
あんな、割り込むような形できて。
いくら、わたしの主人だからって失礼だったと思う。
わざとらしく、頬を膨らませてみる。
流石に気まずいのか、目を逸らされた。
「……キミは、メイドだ」
固い声は、本心かは分らない。
「そういうこと言うから、律果くんと喧嘩になるんですよ」
わかりやすく、むっとされる。
「別に、キミにしか言わない」
「律果くんにも言っている気がしますけど」
今日の周様は、乱暴な雰囲気だけど、手と手を取り合い、目と目がどうしても合うくらい近くにいるからか、少し話しやすいと思ってしまう。
「周様、なんで、私に当たり強いんですか?」
実はもう、周様が嫌いな超能力を使っているのがバレているの?
不安な気持ちで胸がうずく。
それが顔に出ているのが、周様の瞳に映っているので、分かった。



