「忘れてない、忘れてない、わたし、いっちゃんのこと忘れた事ないよ!」
いっちゃんだって分かったから、わたしは一歩近づく。
だって、わたしにだって、いっちゃんは忘れられない友達だもん。
それなのに、御影くんがいっちゃんだって気づかなかったのは、
「いっちゃん、男の子だったの? わたし、女の子だと思ってた」
「勘違いされていたんだ」
儚げに笑うその姿は、いっちゃんの姿とダブった。
いっちゃんは、昔、村はずれにある別荘によく来ていた。
その当時はまだ、超能力がうまく使えなくて、村の中心まで遊びにいく事を許可されてなかったから、いっちゃんはわたしにとって初めての友達で、いっちゃんが村にいる時は、ずっと一緒に遊んでいた。
いっちゃんは、おとなしくて無口な子だけど、物知りで、そしてとても綺麗な子だった。
ある日、いっちゃんと一緒に川を見に行った時、いっちゃんが足を滑らせて川に落ち、溺れてしまう事があった。
その時、わたしは、超能力を使って、いっちゃんを助けた。
だけど、それを目撃したいっちゃんの家族に気味悪がられ、その日以来いっちゃんに合わせてもらえず、いっちゃんが別荘に来る事は無くて、連絡が途絶えていた。



