メイドさんは、守りたい!


お屋敷に来て二日目。

午前中は執事長直々の教育だったけど、午後はもう周様に付くらしくて、緊張する。

昨日会った周様はとっても格好良くて、そしてちょっと不思議だった。

期待する様な事を言っているのに、目は冷たい。
そして、謎に柚子の館に来ていた。

あれは、結局、わたしに期待している? していない?

まだ分からないけど、メイドとして信頼されたいから頑張ろう。


柚子の館と、本邸と呼ばれている真っ白な大きなお屋敷は、地下通路で繋がっている。
本邸地下の使用人控え室に着くと、執事長に執事服を来た男の子を紹介された。


「安藤。彼が、周様付きの執事の嗣永律果(つぐながりつか)です。貴女と同い年ですが、幼い頃から仕えているので、先輩として見習ってください」

「はい」


周様は、わたしより年上に見えたけど、律果先輩は同い年って感じの身長と雰囲気。

髪がぴっちりと纏められてなくて自然体だから、執事服じゃなかったら普通の男の子。

執事長と同じ名字ってことは、執事長の孫? 有希さんの息子にしては年が近いから、そこは親子じゃないのか。


「律果、自己紹介を」

「嗣永律果。お前、何もしなくていいから大人しくしてろ。迷惑だけはかけんな」


言われて始めた律果先輩のぶっきらぼうな自己紹介に、唖然としてしまう。


えっ、何にもしなくていい⁉︎

わたし、期待されてなさすぎる。


「律果」


執事長が注意する様に名前を呼ぶが、律果先輩は顔を逸らした。


「いいだろ別に。オレがやればいい」


えー? こんなにぶっきらぼうで、執事できているの?

律果先輩にあまり良い印象は持てなかったけど、挨拶しないのは失礼だから頭を下げる。


「安藤寧色です。お願いします、律果先輩」


わたしが頭を上げても、律果先輩は何も言わない。


うーん、うまくやっていけるかな?