「お二人とも、ごきげんよう」
微笑んでそう声をかけてきたのは、貴子さんだった。
後ろには、はなびも居る。
「こんにちは?」
なんで挨拶を返せばいいのか分からなくて、疑問系になってしまう。
「こういう時は、ごきげんようでいいのよ」
貴子さんは、柔らかく笑った。
貴子さんもはなびも、綺麗なドレスを着ているけど、緑のドレスをきている貴子さんは、普段のお淑やかな雰囲気もあって特に似合っている。
ずっと、ドレスを着て生活しているような似合いっぷりだ。
「二人を見つけたら、挨拶しにきたの。二人ともとても似合っているわ」
「ありがとうございます」
「嬉しいです。でも、貴子さんにはかないません」
「あら、いいのに」
貴子さんは、うふふと口元を手で隠し、上品に笑う。
ほんと、似合っているなぁ。
……それにしても、はなびが今まで一言も喋っていないなくて、気になる。
貴子さんと喋っているからと、会話に入ってくるのを気にするタイプでもないのに。
具合悪いのかな、どうしたんだろう。
目を向けていることに気づいたのか、貴子さんがはなびを見た。
「はなびのことが気になるの?」
「はい、いつもより元気がないように見えて」
わたしの言葉に、はなびは元気なく笑う。
「寧色、心配させちゃってる? ごめんねー、なんか変な匂いがした気がして」
「はなびは鼻がいいのよ」
はなびの不安が隠しきれていない顔に、貴子さんも不安そうにした。
はなびは、慌てて元気そうな笑顔を見せる。
「大丈夫だよ! わたし、楽しむから」
もちろんそんな作ったような元気に、貴子さんの不安はなくならず、不安そうな顔は変わらない。
せっかくのパーティーなのに、二人とも不安なの勿体無い!
「二人とも、心配しないでください。何があっても、二人とも、わたしが守ります」
声に出して伝えると、はなびは嬉しそうに、貴子さんは優しく、笑う。
「ありがとう。でも、貴女だって招待されているんだから、楽しんでね」
「はい」



