律果くんは黙った後、眉間に皺を寄た。
「そんなに、超能力使いたいの?」
「そうだね。生まれ持ったこの力、どうせなら使って誰かの役に立ちたいんだよ」
「周様、超能力嫌いだよ」
「ね、ビックリしちゃった」
嫌そうな周様の雰囲気を思い出す。
「あの感じ、もしわたしが超能力使えるってバレたら、受け入れてくれてなさそうだから、バレたらって考えると怖くなる」
「じゃあ、これからも超能力使うかとか、周様の側にいるかとかも悩んだ?」
「それは悩んでないよ。周様がどんな人でも、側に居て、超能力で守りたいから」
信じられないと、理解できないと、律果くんは身を投げ出すように、ソファの背もたれに体を預けた。
わたしは、止まっていた手を動かしゼリーを食べる。
体を預けたまま、顔だけをこっちに向けて、律果くんは尋ねる。
「寧色って、なんでそんなに超能力使いたいの?」
「えー、なんでだろう。うーん」
言葉にするのは、難しい。
「わたしが、そういう人としか言いようが無いのかも。昔、人を超能力使って助けたら、ちょっと問題になったことがあるけど、今でもその気持ち変わらないもん」
あの時は大変だった。
マザーとか、いろんな大人が難しい顔して話していた。
責められることはなかったけど、気味悪がられたのは覚えている。
それでも、誰かの為に力を使いたい気持ちは、今でもある。
「それじゃあ、寧色は、よく周様の名前を口にするけど、超能力を使うのは周様のためじゃないんだ」
心臓が、跳ねた。
そのくらい、律果くんの言葉に驚いた。
言われてみれば、そっか、わたしが超能力を使うのは周様のためじゃないんだ。
むしろ、使いたいから大義名分として周様を利用しているみたいなもんなんだ。
自分じゃ、認識できていなかった。
「自己満足のためなんだね」
「それは……いわないでよ」
痛いとこをつかれて、わたしは上手く返事ができなかった。



