「寧色は、あれでいいの?」
夜、律果くんが今日もお菓子を作ってくれた。
今日はゼリー。
見た目からひんやりしていて、フルーツがたくさん入っていて、美味しいな。
ゼリーを食べながら、律果くんに答える。
「超能力のやつ?」
「ちがう。今日の周様、アレは態度悪かったでしょ」
「そう?」
「当たりキツかったじゃん。気にしてないの?」
言われてみれば、今日のドレスほぼ律果くんが選んだみたいなものだったな。
馬子にも衣装とか、余計な一言も言われた。
でもまあ、
「気にしてないよ」
「なんで?」
「周様が、主人だからかな」
細かくは違うけど、まとめるとその一言だ。
律果くんは、嫌そうな顔をした後、優しく言う。
「主従関係があるからって、周様の言うことや、すること全部を許さなくていいんだよ」
「でも、律果くん、言うこと何でも聞いてない?」
「オレは、嫌な時は嫌って言うから。オレ、寧色の扱いが悪いのが嫌なんだよ」
え、そんな風に思っていてくれるなんて。
すごく嬉しくて、ちょっと申し訳ない。
「わたしのことなのに」
「寧色はオレと違って、元から使用人ってわけではないじゃん」
だから、気にしていてくれるんだ。
「オレは慣れているけど、寧色は違うでしょ。主従関係、嫌にならないの?」
「そりゃ、もっと友達みたいな感じだったら接しやすいけど、周様は、わたしのこと使用人としてしか思ってないでしょ」
「それは……そうだと思う」
「なら、わたしも使用人として接するだけだよ」
主従関係ってのは、どうにもならないんだから。
律果くんは、納得できないのか、むすっとする。
「寧色は、これからもずっと、あんな感じの周様でいいの?」
「うん。もちろん、信頼? 信用? はされたいけど、わたしの一番の願いって、超能力を使って周様の役に立ちたいだけだから」



