「それで、結果は?」
周様の学習室、緊張感のある雰囲気で尋ねられ、わたしは笑顔で試験の結果が書かれた紙を渡す。
「ギリギリ赤点を免れました!」
最悪の事態じゃなくて、ほんと良かった。
周様に教えてもらってなかったら、絶対赤点だったと思うけど、今回は赤点じゃなかったからいいよね。
わたしは笑顔で報告したけど、周様は一つも笑顔を見せない。
「ほんと、ギリギリの結果だな。笑顔で報告するような点では無い。次は、平均点を目指せ」
机に投げ出す形で、紙を返される。
「はい。教えていただきありがとうございました」
次ってのは、一学期の期末試験か。
平均点とるなら、毎日勉強して、今から備えなきゃ。
使用人業務も、サイコキネシスの特訓も、頑張らなきゃいけないことはいっぱいあるから、大変だ。
「気にするな。使用人の教育も主人の義務だ」
それだけ?
よくやったって、一言くらい褒めてくれてもいいのに。
言葉にはしないけど、拗ねたくなる。
たぶん顔にでているけど、周様は、わたしの様子なんか見ていない。
机の引き出しを開けている。
そして、そのまま何かを取り出すと、わたしに向かって差し出した。
手紙?
「受け取れ」
渡された封筒を手にすると、表には『招待状』。裏には、『チューリップの会』と書かれている。
「開けて良いぞ」
封はもう切られていた。
ペーパーナイフで切ったであろう一番上から、中に入っていた一枚の紙を開く。



