レストランでは、周様の前にわたしが。
その隣に律果くんという配陣で挑む。

最初は、丸テーブルだったけど、その形だと二人が向き合うか、隣になり、バチバチしそうなので、お願いして四角いテーブルに移動させてもらった。


「ご飯美味しいですね」


期間限定で出されるという、恐竜発掘プレートをわたしは食べる。

周様と律果くんは違うけど、二人のも美味しそう。


「お二人のは、どんな味ですか?」


返事はない。


「デザートも手を混んでいるみたいですよ、楽しみですね」


返事はない。


うう、せっかく美味しそうなご飯をいただいているのに、全然味がしないよ!

どっちでもいいから、何か話してくれないかな……


返事をしてくれそうな話題を考えて、博物館で見たものを思い出した。


「あ、そういえば、先ほど御影くんを見ました。周様以外にもご招待を受けている方がいらっしゃるんですね」

「そうみたいだな。御影以外も見かけた」


わーい、返事してくれた。


一の返事がすごく嬉しかったけど、返事してくれたのはこれくらいで、後はずっと喋らない。


早く、いつも通りにならないかな。
そのためには、わたしが何かしなきゃいけないのかな。

でも、何をすればいいんだろ。

同級生が四人しか居なかった村の時は、無理矢理引っ張って、顔を付き合わさせていたけど、アレは小学校に行く前から知っていたからこそ、遠慮なく出来ていた。

うーん。
やっぱり、周様と話すしかないか。



午後も博物館を回り、お土産をもらったところで、博物館を後にする。

とりあえず、お屋敷に戻ったら、律果くんと周様が離れるだろうから、周様と話してみよう。


「すみません」


車まで向おうとしたところで、後ろから声をかけられた。


博物館のスタッフさんだ。


「どうなさいました?」


律果くんが、そちらに近づいていく。

忘れ物でもあったのか、二人は中に入っていく。

それを見ていると、──ドッ! 

唐突に頭に痛みを受けた。


え?


何が起こったか理解する前に、わたしの意識はなくなった。