宮条家に帰ると、周様に勉強を教えてもらう事になる。
試験があるのは、来週の木、金の二日間。
一年生の一学期だから、そう難しいとは思わないけど、国蘭双学は私立のお金持ち学校で、進んでいるのだ。
テストの範囲表からもそれが分かる。
周様の学習室には、一人掛けの机とローテーブルしかないので、自習室で勉強をすることになった。
周様の向かい側に、わたしと律果くんが座る。
「とりあえず、これ解いてみろ。今回のテスト範囲で問題を作った」
周様は、わたしと律果くんにプリントを出した。
少し見たけど、本物みたいなテストだ。
「周様が作ったんですか? すごいです」
「俺が作った。五科目を二時間で解け。一時間後に休憩だ。始め」
周様は余計なことを喋らず、タイマーをかける。
わたしは、急いで問題を解き始めた。
「終わり。採点するから、見せろ。その間休んでいて良いぞ」
「はい」
一応、全部の問いは埋めたけど、手応えとしてはだいぶいまいち。
勉強しないといけない所がいっぱいだ。
分らなかったところを教科書を見たり、律果くんが入れてくれた紅茶を飲んで休憩を過ごしていると、採点が終わったみたいで、紙が返される。
その点数は、一桁ではないけど中々のものだった。
「これは……赤点ですか?」
周様は、頭を痛そうに押さえている。
史上最大の問題を起こしてしまったみたい。
「うわっ」
わたしのテストを見た、律果くんがドン引きしたような声を出す。
まずいかぁ。
「律果くんの見せて」
覗いたプリントは、わたしの五倍くらいの点数をとっている。
まずいなぁ。
「決めた」
周様は、決心したようにわたしを見た。
「妥協する。安藤、平均点は取れ無くて良い。赤点だけは取るな」
「はい」
「この後は、駄目だった所と不安に感じる所をやる」
「頑張ります!」
周様に妥協させちゃったんだ。
せめて、そのラインは越えなきゃ!



