持ってきているケースに、名前が書いてあるかや、物が入っているかをチェックをしながら、手紙を入れていく。
わたしが転校してくる前は、律果くんが周様を教室まで送ってから、下駄箱まで戻ってきていたらしい。
あれ?
今、チェックしている手紙を見て、驚いた。
これ、律果くん宛の手紙だ!
えー、もしかして律果くんに、告白!?
こんなこと初めてで、ドキドキした気分で教室に手紙を持っていく。
「律果くん」
「なに」
先に一年二組の教室についてた律果くんは、わたしの顔を見ると、何故か嫌そうな顔をする。
そんな、にやにやしてたかな。
「これ、律果くん宛だよ」
周様用のケースには入れないでいた、手紙を差し出す。
「はぁ?」
律果くんは、訝しげに手紙を受け取った。
その封筒には、確かに『嗣永律果様へ』と書かれている。
「本当だ」
その声は嬉しくもなさそう。
せっかくのラブレター(仮)だってのに。
「告白かなぁ?」
にやにやが抑えられてない気持ちで聞くと、律果くんは、すんとした顔で手紙を鞄にしまった。
「見ないの?」
「家で見るから」



