オーディションの次の日の昼休み。
わたしの前には、御影君が居る。
周様が呼んでくれたのだ。
隣ではないけど、近くには周様と律果くんも一緒だ。
「この前のお礼を改めて言わせてください。助けてくれて、ありがとうございました」
律果くんと選んだ、お礼のお菓子を渡す。
「別に、気にしなくて良いよ」
御影くんは、それだけ言った。
表情も変わらない。
この前は、もっと優しい感じだったのに、クールだな。
「一つ聞きたい事があるんですが、よろしいでしょうか?」
「なに?」
「僕が……いえ、なんでもないです」
聞きたい気持ちはあったけど、周様と律果くんが近くにいるのに聞くのは、なんか違う気がして、やっぱりやめた。
「本当にありがとうございました」
御影くんと周様が二人で話す事があるみたいなので、わたしは離れて、律果くんの側にきた。
律果くんは、興味深そうに御影くんを見ている。
「ほんと珍しいね、御影さんが優しいの」
それ、はなびも不思議がっていた。
「優しい人じゃないの?」
「優しくないっていうか、人と関わる事がほとんどないんだよ」
「そうなんだ」
御影くん、普通に助けてくれたのに。
僕が優しくするのは当たり前って言葉が、余計不思議に感じてくる。
やっぱり、さっき、言葉の意味を聞けばよかったかな。
「うん、寧色には他より当たりキツい周様とは逆だね」
「……え?」



