『僕が優しくするのは当たり前』
あれ、どういう意味だったんだろう。
昨日、助けてくれた御影くんを思い出し不思議な気持ちになる。
もう一度会いたいな。
ちゃんとお礼を言いたいし、なんでそんなことを言ったのか気になるから、もう一度喋りたい。
でも、クラスが分らない。
周様か律果くんに話せば、彼のクラスが分るかもしれないけど、昨日あった事は言いづらい。
転入初日で舐められ、絡まれたってのを知られるのは、ちょっと恥ずかしい。
誰からも話しかけられることがないから、一人で本を開くだけ開いて、考えていると、
「おはよっ、安藤さん」
はなびさんがわたしの席まで来て、挨拶してくれた。
「おはよう、はなびさん」
「昨日は、貴子をボールから庇ってくれてありがとう。当たった手は、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫」
サイコキネシス使っちゃったから、当たってないし。
「ありがとう。安藤さんって、わたしのことはなびって呼んでくれるよね」
「あ、ごめん。二人が名前で呼び合っているから」
「ううんいいの。わたしも、寧色って呼んでもいいかなって」
「もちろん」
って言って、
周りがみんな、ひそひそしているのに気づく。
女子は、わたしがとってもかっこいい周様のメイドで、しかもメイドとしてなってないから、男子は単純に駄目なメイドとして、よく思われてないんだろう。
「はなびさん、話しかけてくれるのは嬉しいけど、わたしにはあんまり話しかけない方が良いと思うよ」
はなびさんまで、よくない目で見られてしまう。
「大丈夫だよ。わたしは寧色と話したくて、友達になりたいから話しているの。だから気にしないで」
はなびさん、わたしが言われているの分かっていて、それでも話しかけてくれるんだ。
それって、すごく嬉しい。
「ありがとう。わたしもはなびさん、はなびと友達になりたい」
はなびは、パッと笑ってくれる。
「じゃあ、友達だ。一緒に遊んで、一緒に話そ。困ったことあったら、なんでも言ってね」
なんでも……
「あ、じゃあ、早速一つ聞きたい事が有るんだけど、同じ学年の御影くんって分る?」
「御影くん、一組の? どうしたの?」
「昨日、迷子になってたのを助けてもらって」
呼び出されたってのは言いづらくて、嘘を伝えてしまう。
「あの御影くんが?」
はなびは、驚いていた。
「有名なの?」
「どこぞの王子様とか、とある大富豪の末裔とか、心がよめるとかいろんな噂があるミステリアス男子なの」
心が読める⁉︎
もしかして、わたしと同じ超能力者⁉︎
一瞬考えたけど、でもわたしの知っている限りでも四人しか居ない超能力を使える人が、偶然同じ学校にいるわけないし、ただの噂だよね。
「そういう人なんだ。改めてお礼を言いたいなって思っていたけど、一組かぁ」
周様と同じクラスではあるけど、その分行きづらい。
「一組が一番、行きづらいよね」
はなびが、苦笑いする。
「貴子さんがいるから?」
「そうじゃなくて、あっ、もしかして知らない? うちの学校って、一組の生徒が一番お金持ちなの」
「お金持ち度でクラス変わるんだ⁉︎」
奇数がノーブルとかは説明されていたけど、こっちは聞いてなかったから驚いた。
「うん。家の資産や格で、数字の少ない順で奇数クラス。使用人は、主人のクラス、プラス一。特待生は、成績順で偶数クラスだね。一組が一番使用人のいる生徒が多いから、二組は特待生少ないよ」
「へー、そうなんだ」
面白い。
周様のお家はすごくおっきいけど、やっぱすごいお金持ちなんだな。
「だから一組は行きづらい……あ、今日ってチューリップの会の出演者のオーディションが有るらしいから、その時は?」
「チューリップ会? 出演オーディション?」
「チューリップ会って言う、お金持ちの人が開いている、交流会があってね。今度のパーティーの出演者捜しを今日するんだって」
「御影くんは、チューリップ会の人なの?」
「どうだろう。でも、お金持ちだし、可能性高いと思う」
へーじゃあ、行ってみようかな。
「ありがとう、教えてくれて」
「いいよ-」



