「もう一度聞く、何してるの?」
ドアを開けていたのは、知らない男の人だった。
儚げで繊細な雰囲気の、周様と同じくらい綺麗な人。
ピンク一色のネクタイだから、同い年のノーブルだ。
「いじめ? それって楽しい?」
彼は、とても冷たい目をしている。
「御影くん!」
わたしの胸ぐらを掴んでいた人が驚きの声を上げる。
「サーバントに、ノーブルもいる。メイドだとしても、彼女が宮条家の子だって忘れている?」
彼の言葉に、女の子達は顔を青くしたり、赤くしたりする。
掴んでいた胸ぐらが離された。
「今一度、自分の行動を考えなよ」
「うるさい! 行くわよ!」
顔を真っ赤にしたリーダーの子が言うと、女の子達は、わたしを睨んで出て行った。
「ありがとうございます」
立ち上がり、助けてくれた彼に礼を言う。
彼は首を横に振った。
少し長めの肩につくくらいの髪がさらさらと揺れる。
「いいよ。僕がこうするのは、当たり前のことだから」
「え?」
どういうこと?
不思議に思っていると、彼は、わたしの目を見て、ふって笑う。
「大丈夫だよ」
その雪が溶けた様な笑顔に固まってしまった間に、彼は行ってしまった。
彼、御影くんって呼ばれてたよね。
優しくて、ちょっとミステリアスな人だ。



