メイドさんは、守りたい!


困った事になった。


今、わたしがいるのは使われてなさそうな教室。
そして、その教室に居るのは、みんな女の子。


……あれ、これってもしかして、さっき、サイコキネシスつかったのバレた?


体育が終わり更衣室から教室に戻る時、はなびさんは体調が戻らなかった貴子さんと保健室に行ったから、わたしは一人だった。

そんな時声をかけてくれたのが、朝に部活案内するよって言ってくれた子で、はなびさん達以外にも声をかけてくれる人はいるんだって、嬉しかった。
でも、部活関係かと思ったら全然違いそう。


やばーい、どうしよう!
ごめんなさい、マザー、律果くん、周様、曾お爺さま!


「あんたさぁ」


リーダーなのか、真ん中に立つ無地のピンクリボンをつけた子が口を開いた。

腕を組んだまま話す姿は、とても威圧感がある。


「なにメイドやっているの?」


「え?」


メイド?

超能力じゃなくて?


予想とは違う言葉に首を傾げると、他の女の子達に、矢継ぎ早に責められる。


「とぼけてるんじゃないわよ」

「周様に迷惑かけてたでしょ」

「あんたみたいなのが、周様のそばにいないでくれる?」


えー? あー、なるほど。
この人達、わたしが周様のメイドをしているのが不満なんだ。

そっかぁ。
周様って、こんなに人気なんだ。

朝の時点では、律果くんくらい完璧かもしれないから文句を言わなかったけど、お昼にお弁当を落としてダメダメメイドだと分かったから、攻撃的になったのかな。


「さっさと、辞めなさいよ」

「なんか言ったら?」


彼女達はわたしに居て欲しくはないみたいだけど、わたしは、超能力を人のために使いたい。

周様の役に立ちたい。


「辞めるつもりはないです」

「はぁー? あんたみたいなのは、周様の側にいちゃいけないの!」


怒りが抑えきれてない様子の子に、体を押された。


わわっ。


バランスを崩して、尻餅をつく。

下から見上げる彼女達には、とても威圧感がある。


でも、言うことは変わらない。


「わたしは周様のメイドを辞めないです」

「あんたっ!」


彼女が、わたしの胸ぐらを掴むのと同時に


ガララララッ

大きな音を立てドアが開き、


「何してるの?」


しんとした冷たい声が聞こえた。