メイドさんは、守りたい!


今日の体育はバスケで、最初に、パスやドリブル、シュートの練習をする。

はなびさんは運動神経が良くて、パスもシュートも綺麗だし、ミスのカバーも上手い。

貴子さんは運動神経は悪くなさそうだけど、体力がないみたいで、すぐに息を切らしていた。


「貴子、大丈夫?」

はなびさんは、貴子さんを心配そうに見つめる。

背に手を当てて、優しく摩っている姿は手慣れていた。

この年で主従関係をになる多くは同性だって律果くんから聞いたから、違うクラスだけどペアを組んだ二人はそうなんだろう。


「ええ。次、試合みたいだからその時に休憩しているわ。はなびは行ってらっしゃい」

「うーんでも……」


はなびさんは心配なのか、貴子さんの側から動かない。


「はなびさん、行ってきてください。わたしが貴子さんと居ますから」

「えっ、でも」

「人数はもう足りているみたいですけど、はなびさんは呼ばれているんです。かっこいい姿見せてください」

「うん! がんばってくるから、見ててねー」


顔を明るくしたはなびさんは、プレイする人の元へ走っていった。

わたしと貴子さんは座って、みんなを眺める。


「良かったの? 行かなくて」

「わたし、運動神経良くないですから」


試合が始まると、はなびさんは笑顔でコートを走り回る。
やっぱり上手で、チーム一番の活躍だ。


「はなびさん、楽しそうですね」

「ええ、体動かすの大好きなのよ……私のことなんて気にしないでいいのにね」


微笑んでいた貴子さんは、辛そうな顔をする。


「あの子、私のメイドだからって、好きなことややりたいことより私を優先するの」


はなびさんは貴子さんに、敬語を使わず気軽に話しかけるから、主人と使用人というより友達に見えるけど、やっぱり主従関係があるんだ。


「それは、何よりも貴子さんが好きだから優先するんですよ」


心をよめるわけじゃないけど、はなびさんが、貴子さんを心配してそばに居ようと思っていたのは、義務感とかには見えなかった。


「そうだったら、嬉しいわ」


貴子さんは、嬉しそうに笑う。

本当に、仲良いんだな。


二人の関係に微笑ましく思っていると、


「危ない!」


えっ!


唐突な声にびっくりしてみると、こっちに向かって、ボールが飛んできている。

ボールが当たりそうな貴子さんの前に手を出す。


当たったら痛いかも!


そう思ってしまったから、ボールが私の手に触れる前に止まり、落ちていった。


やば、サイコキネシスつかっちゃった。


「ごめんなさーい、大丈夫?」

「安藤さん、ありがどう」


ボールを飛ばした子や貴子さんはこの反応。


この感じなら、バレて無いかな?