中庭はとても広く、何個もある東屋の一つに周様は向かった。
テーブルとソファが置いてあり、居心地が良さそう。
「普段から、ここでご飯を食べているんですか?」
「ああ、五月分は場所を確保している」
予約スタイルなんだ。
周囲を見ると、晴れているからか人が多く、他の東屋や、レジャーシート、パラソル付きテーブル、ベンチなどに座ってご飯を食べている人がいた。
校舎の方から律果くんが、大きなバスケットを持ってて歩いてきているのが見えた。
「手伝ってきます!」
声をかけてから、律果くんの元へ向う。
「一つ持つよ、どっちか貸して」
「いいよ別に、このくらい」
「いいから、いいから。わたしだって、メイドなんだから」
強引に一つを受け取り、持って歩く。
「転ばないように気を付けろよ」
「はーい、あっ」
頷いた瞬間、足をくじいて転んだ。
「ぐえっ」
顔を挙げると、地面に横になった私と同じように、バスケットも横になっている。
「わっ!」
急いで体を起こし、芝生がついたバスケットを持ち上げる。
バスケットは蓋つきだったから中までは汚れてないけど、風呂敷に包まれたお弁当の中身がどうなっているかは分らない。
「ありゃりゃ、大丈夫? 怪我してない?」
ど、どうしよう。
無意識にサイコキネシスは使って止めたりはしなかったけど、普通にやらかしてしまった。
「申し訳ございません、お弁当落としました」
深く深く、周様に頭を下げる。
「見てた。開けてみろ」
テーブルの上に置いた三段のお重を開けてみると、全体的に中身がずれていた。
「直接土の上に落としたのではないから今回は食べるが、気をつけろ」
「はい。本当に申し訳ございませんでした」
周様、許してくれて良かった。
って言いたいところだけど、なんか、中庭の人達がすごくこっちを見ているし、ひそひそしている!
やらかしたわたしが悪いけど、居心地悪いな。



