「起立、礼、着席」
日直の号令でホームルームが終わると、その瞬間、わたしの周りに人が集まる。
「安藤さん、よろしく!」
「どこから来たの?」
「部活とか入る? バレー部おすすめだよー」
「あっ、えっと」
待っていたかの様にどんどん質問されて、何から答えるべきか悩んでしまう。
「ちょっとみんな一気に言い過ぎ。ごめんね、一つずつでいいよ」
女の子の一人が笑ってそう伝えてくれたから、ゆっくり答えていく。
「出身は、関西の山の方だよ」
「関西なの? 方言は?」
「家族が標準語だったから、わたしも標準語。部活は、まだ決めて無い、色々みてみたいかな」
「じゃあ、私、案内するよ」
「俺も」
「ありがとう」
律果くんに、同じクラスは使用人が多いって聞いていたけど、みんな普通。
明るいクラスって感じで良い。
今は人が多くて慣れないけど、そのうちこの環境にも慣れそうだ。
「なんで、今来たの? 中一の春だよ」
「えっと、周様……宮条周様の使用人として、急に使えることが決まったの」
わたしの発言に、一瞬空気が止った気がした。
みんな黙り、笑っていた子達も表情をなくす。
え、え? わたし、何かまずいこと言った?
その通りのことしか言ってないんだけど。
「そうなんだ。一緒に住んでるの? いいねー」
困っている中、一人がそう言ったから教室の空気が戻った。
「前からメイドやってたの?」
「勉強とか得意?」
質問もまた、普通にされていく。
さっき空気が止まったのは、気のせい?
質問に答えていると、一時間目の先生が来たからみんな席に戻っていった。
隣の律果くんは、呆れたようなため息をついていた。
「何か悩み事?」
「なんでもねーよ」
その後も、休み時間のたびに質問されるんだけど、みんなのわたしを見る目がちょっと怖い。
友達から向けられる目とは違くて、品定めされているみたいだ。



