国蘭双学は生徒数が多い為スクールバスが主流で、自家用車での登校が許可されている生徒は少ないが、周様は許可されている生徒だ。

わたしと律果くんも同じ車に乗って学校に通う。


少しだけ混んでいる中等部のロータリーで車が止まると、助手席に乗っていたわたしが一番に降りる。

ロータリーには多くの女の子が居て、きゃあきゃあ盛り上がっているから、びっくりした。


誰かを待っているのかな。


横目で見つつ後部座席のドアを開けると、律果くんが降りる。

きゃあきゃあとした声が大きくなって、ざわざわと話す声も増えた。


律果くん人気者?


そんなことを思っている時、周様が降りると、


「きゃーー」
「周様ー」


黄色い悲鳴でロータリーが埋め尽くされて、周様をみんな待っていたと分かる。


わっ、すごい、かっこいいとは思っていたけど、周様ってモテるんだな。


周様も律果くんも慣れているのか、素知らぬ顔で歩いているけど、下駄箱でも、職員室までの道でも、ずっとキャーキャー言われていていて、わたしがまいりそう。

この学校は、どこもキラキラ、ピカピカしていて、高そうな絵画や生花も飾ってあったり、めちゃくちゃ広かったりで、まさにお金持ちの学校って感じで面白いのに見ている暇がない。

前の学校は、こんなに人が居なかったから、単純に声の数が辛いし、周様だけじゃなくて、わたしも見られて、ひそひそされている気がするのもやだ。

うーん、しれっとサイコキネシス使うために、あんまり注目されたくなかったんだけど、大丈夫かな。