ショートケーキを一つ食べ終えると、「何個から作ったから」と、もう一つ同じケーキを出してくれたので、食べる。


ふふ、やっぱりケーキ凄く美味しい。


「律果先輩ってよくケーキ作っているんですか?」

「まぁ、時間有ったら」

「また食べたいです!」

「褒める様な事があった時は、作ってあげる」

「嬉しいです。ありがとうございます、律果先輩!」


頑張って毎日褒められる様なことをしたら、毎日ケーキ食べられる?

うふふ、楽しみだなぁ。


「安藤、オレに対して敬語じゃなくていいんだよ」

「でも、先輩は先輩です。執事長には見習えって言われていますし」

「使用人としては先輩だけど、明日から同級生なんだから。先輩とも呼ばなくていい」


あー、そっか。明日、周様と律果先輩の通う学校に転入するから、そしたら同級生になるのか。


「じゃあ、やめる。律果さん? 律果くん? なんて呼べばいいの?」

「律果くんでいいよ」

「じゃあ、律果くん」


くんづけだと、仲良くなれたみたいで嬉しいなぁ。


「安藤って名前、寧色だったよね」

「うん。そうだよ」

「じゃあ、オレは寧色って呼んでもいい?」

「いいよ」

「寧色に一つ聞きたい事があるんだけど」

「うん」

「寧色って超能力とか使える?」


律果くんの言葉に、持っていたフォークを落とした。