「律果先輩居ますか?」
周様とのお話が終わり、夕食やお風呂も済ませた後、律果先輩に柚子の館中央棟の二階談話室に呼び出された。
こんな時間になんだろう。
「こっち。そこ、座っといて」
律果先輩は座っていたソファの向かいを指さすと、給湯室が有る方へ行った。
他に人はいない。
言われたとおり座って待っていると、律果先輩は、何かが乗ったお盆を持って来た。
「今日、偉かったからご褒美」
律果先輩が机に置いたのは、ショートケーキとココアだった。
「えっ、いいんですか?」
小さいサイズの丸いショートケーキは、苺がキラキラ輝いていて、生クリームはお花みたいになっていて、上面からはチョコレートが垂れていて、全部がとっても可愛いい。
こんな、テレビで見る様なオシャレなケーキを食べていい⁉︎
「うん。甘いの好きなんでしょ? 有希さんから聞いた」
「ありがとうございます。いただきます!」
フォークをケーキに入れて見えた断面は綺麗で、苺がたっぷり入っているのが分かる。
一口分切り分けて、口に運ぶ。
「わっ、すごい美味しい!?」
生クリームは濃厚で、苺は甘酸っぱく、スポンジはふわふわ、固まったチョコは濃くて、とっても美味しい。
「すごい美味しい!」
「そんなに? 二回言わなくてもいいよ」
「本当に美味しいんです。律果先輩は食べないんですか?」
律果先輩の前にケーキは無く、ココアだけ飲んでいる。
「いいよ、オレが作ったやつだし」
「え、先輩が作ったんですか?」
こんなにキラキラ輝くケーキを?
「すごい! お店のだと思ってました」
「お菓子作るのは、得意だから」
「そうなんですね。すごいです。美味しいです」
美味しすぎて、ケーキを食べるフォークが止らない。
こんな時間だけど、このケーキなら無限に食べれる。



