宵にかくして




呆然とする私たちを涼やかな表情で見下ろしていた不和くんは、流れるような仕草で私の前の席に腰を下ろした。
 

「ふわ、くん……?」


思わず名前を呟けば、ぱちりと初めて視線が重なり合う。透き通るようなアイスブルーの瞳がゆるりと細められて、蒼唯さん、と、ゆっくりと呼ばれた名前。



「不和昴……って、おれの名前も追加しておいて」

「な、んで私たちの班に……?」



さっきまでの喧騒が嘘のように静まり返る教室。


微かに震えた声で尋ねれば、ゆるませた目尻を綺麗にほどいた不和くんは、ふわりとお手本のような笑みを浮かべる。


そんな表情が、朝のテレビの中の姿と重なって───