宵にかくして




不機嫌そうに眉をひそめた秋月くんは、そのままふんっとそっぽを向いてしまう。


つんとくちびるを尖らせている様子が、やっぱり猫ちゃんみたいだ……なんて考えながらも、先週の不和くんとの会話を思い出す。



『必要以上に話しかけてこないで。あとなるべく視界にも入らないで』

『ぜ、善処します……!』

 

秋月くんの態度は確かにツンツンしているけれど、不和くんの冷え切った眼差しに比べたら、可愛いものじゃないかな……なんて思ってしまう。

 
「ふ〜ん、じゃあ、なんでえまに声かけてたの」

「……別に。なんとなくだけど」

「へえ〜ふうん〜なんとなくねえ……?」

「っ、だから、転校生の蒼唯はひとりになるんじゃないかって思っただけ」



秋月くんと夏莉ちゃん越しに目が合ったかと思えば、もの凄い勢いで逸らされてしまう。呆気に取られながらも、秋月くんのセリフを頭の中で反芻すれば、……じわりとやわい心地に包まれていく。