宵にかくして




『明日の朝食、なにか食べたいものとかありますか?』

『、お前の食べたいもの』

『ふふ、宵宮さんそればっかり』


思わずくすりと笑みをこぼしてしまえば、ゆっくりと伸びてくる手のひら。


丁寧な仕草で頭を撫でながら、ふ、とやわらかく口角を持ちあげた宵宮さんは。

 

『ありがと、咲菜』

『(……〜っ、はかいりょく……!)』

 

……きゅん、と。


あまやかな音を鳴らして跳ねる心臓につられて、じわりと頰に熱がのぼるから、……相変わらずの宵宮さんスマイルの威力に、思わず宵宮さんから視線をそらしてしまったのが1週間ほど前の出来事。


その時はなんとなく和食な気分だったので、焼き魚と卵焼きとお味噌汁……という定番の朝食を作らせてもらったのだけど、それが思いのほか好評で。


それ以来、私が当番の日はこうして朝食を作ることになっていた。