くちびるを噛めしめながらも、おそるおそる顔を上げれば、呆気に取られたような表情の不和くんと目が合って、……は、と微かに表情を歪めたあと、すぐにふいっと逸らされる。
そうして諦めたようにため息を溢した不和くんは、まるで降参したように両手を上げて。
「、桜くんがそこまで言うなら、これ以上は言わない。……ただし」
ふ、と、冷ややかな薄笑いを浮かべながら、視線だけをこちらに流して。
「少しでも怪しいマネしたら、すぐ追い出すから」
「は、はいっ」
「おれの邪魔だけはしないでね」
そのまま自室へと戻っていった不和くんをお見送りしながら、ふ、と肩の力が抜けていくのを感じる。
よかった、……なんとか切り抜けられたみたいだ。



