宵にかくして



なぎ兄もかや兄も、私を"サナ"として信じて受け入れようとしてくれている。


それなのに私は、素性を隠して、嘘をついて、この場所に居座ろうとしている。本当なら、えまだよ……って名乗り出て、変装もといて、素顔の"蒼唯咲菜"として、久しぶりにお兄ちゃんたちとお話ししたかった。


……ずっと、会いたかったの。



でも、もう遅い。
最初に嘘をついてしまった以上、今さら「実は妹でした」なんて言ったら、宵宮さんの立場も悪くなるし、……ふたりに呆れられてしまうかもしれない。



「(ごめんなさい……なぎ兄、かや兄、)」



言い出すタイミングを完全に失ってしまった罪悪感で、視界が滲みそうになるのをぎゅっと堪えていれば。