君を愛する蝶になる〜その忠実な騎士はいつまでも姫のそばにいる〜


 ⋅.˳˳.⋅˙ॱᐧ.˳˳.⋅ઇଓ ࣪˖ ִֶॱ⋅.˳˳.⋅˙ॱᐧ.˳˳.⋅ઇଓ


 次の日も、また次の日も、ぼくは姫さまのそばを離れなかった。

 たとえその身は蝶に変わっても、生前繰り返していた日常はそう簡単に変えられない。ぼくは姫さまのそばが一番落ち着いたし、姫さまもぼくが隣にいると安心してくれた。

「可愛い蝶々ね。まるでルークの代わりにわたしのそばにいてくれるみたい」

 そうだ。
 そうだよ。ぼくの姫さまは賢い。

 ぼくは、めそめそと泣いている姫さまを励ますために、ひらひらと周りを回って彼女の気を紛らわせようとした。何度も。何回も。大抵は成功したが、その気晴らしは長く続かず、姫さまはまた涙に暮れる。
 ぼくは蝶であることに虚しさを感じるようになった。

「ありがとう……可愛い蝶々。でも、蝶の成虫はそんなに長く生きられないはずだわ。あなたもルークみたいに、すぐにいなくなってしまうんでしょう……?」

 そんな言葉を聞いてからは、特に。


 ⋅.˳˳.⋅˙ॱᐧ.˳˳.⋅ઇଓ ࣪˖ ִֶॱ⋅.˳˳.⋅˙ॱᐧ.˳˳.⋅ઇଓ