三十一音の星を集めて

「夫が庭仕事中に怪我をしたんだけど、家にこれらがなくてね」
と、おばあさんは田村さんに声をかける。



田村さんは対応が出来なかったことを謝りつつ、おばあさんと少し話していた。

私のレジの前にふわふわパーマの彼が立ち、
「お願いします」
と、丁寧に声をかけてから、昼食用と見られる菓子パンとジュースをカウンターに置いた。



「あの、ありがとうございました」
と、私が言うと、彼はニコニコ笑って、
「置いてる場所がわかっているもので良かったです」
と、冗談っぽく言った。

それからお会計を済ました彼は、おばあさんに一礼して店から出て行った。



「良い子なのね」とおばあさんが呟く声を聞きながら、ほんの少しだけときめいてしまった自分を見つけた。



【三ツ橋 隼人くんへ

読書や星が好きなんですね。

私は普段、ほとんど小説を読まないし、夜空を見上げることも少ないです。

でも亡くなった祖母がどちらも好きでした。