三十一音の星を集めて

「あら、あなた、順番はいいの? 待っていたんじゃないの?」
と、おばあさんが申し訳なさそうに言うと、彼はニコニコ笑って、
「いいんです。また並ぶことは出来ますから」
と、答えた。



彼はメガネをかけた、背の高い人だった。

ふわふわした髪の毛はパーマがかかっているのかもしれない。

ちょっとだけ茶色くて、やわらかそうな髪の毛だと思った。



田村さんも私もレジ対応で、正直なところおばあさんまで手がまわらない状態だったので、彼の行動はありがたかった。

ちらちらと見ていると、彼もこちらを見た。

目がくりっと大きくて、鼻筋の通った男の子だった。

可愛い、と思わず言いたくなる顔立ち。



おばあさんが探していたのは、消毒液とばんそうこうで、彼がすぐに商品の置き場を案内してくれた。

レジ前の列も落ち着いてきて、店内にいるお客様の人数も少なくなってきた時、おばあさんと彼がレジの前に立った。