三十一音の星を集めて

【初めまして。

ぼくは日中、この机を使っているJ高二年の三ツ橋 隼人といいます。

見たことのないメモ帳が机に入っていて、確認のためにメモ帳の中を見せてもらいました。

勝手にあなたの世界を覗き込んでしまってごめんなさい。

だけど、あなたの世界がぼくは好きだと思いました。

これからも作り続けてください。

欲を言えば、また読みたいです。

短歌のことは何も知らなかったけれど、興味を持ちました。

三ツ橋 隼人】



……顔から火が出るかと思った。

だけど同時に嬉しかった。



(返事って書くべきかな……)



手紙の返事なんて期待していないかな。

今度こそイタい人間だって思われる?

でも伝えたい。

この手紙を読んで、こんなに嬉しかった気持ち。



(でも人とうまく関われない私が、自分から関わるようなことができる?)



夜の間、ずっと迷いに迷ったけれど、私は三ツ橋くんへの手紙の返事を書くことにした。

やっぱり嬉しかったから。