「違うって、何がですか?」
「よく聞いて、梶山さん」
と、彼女は人差し指をビシッと立てて話し出す。
「まず、仮にあなたのそのお誘いをウザいと思ったとしても、今聞いた彼の優しさ溢れる文面から察するに、何も言わずに手紙の返事を書かずに逃げるような真似するかな?」
「……えっ?」
「その……何橋くんだっけ、あ、三ツ橋くんだ。彼だったら、丁寧にお断りのお手紙を書いて寄越しそうじゃない?」
「確かに」
「だいたい、彼が手紙を書き始めたんだよ。メモ帳返すだけで良かったのに、わざわざ手紙まで書いて。それも何度もやり取りしてるんでしょう?」
田村さんは名探偵ばりにレジ内をウロウロ歩く。
「……何か、あったね」
決定的な言葉だったらしく、静かに、でもはっきりと田村さんは言った。
「な、何かってなんですか?」
「わからないけれど、何かだよ」
キメ顔をされるけれど、何かが何かはわからない。
「よく聞いて、梶山さん」
と、彼女は人差し指をビシッと立てて話し出す。
「まず、仮にあなたのそのお誘いをウザいと思ったとしても、今聞いた彼の優しさ溢れる文面から察するに、何も言わずに手紙の返事を書かずに逃げるような真似するかな?」
「……えっ?」
「その……何橋くんだっけ、あ、三ツ橋くんだ。彼だったら、丁寧にお断りのお手紙を書いて寄越しそうじゃない?」
「確かに」
「だいたい、彼が手紙を書き始めたんだよ。メモ帳返すだけで良かったのに、わざわざ手紙まで書いて。それも何度もやり取りしてるんでしょう?」
田村さんは名探偵ばりにレジ内をウロウロ歩く。
「……何か、あったね」
決定的な言葉だったらしく、静かに、でもはっきりと田村さんは言った。
「な、何かってなんですか?」
「わからないけれど、何かだよ」
キメ顔をされるけれど、何かが何かはわからない。



