三十一音の星を集めて

三ツ橋くんからの手紙が途絶えて、五日目。

週末の休日も挟んだけれど、月曜になっても火曜になっても、机の中は空っぽだった。



七月に入ってすぐ、暑さがこたえる水曜日。

セミの声も遠くで聞こえる気がする。



「……どうしたの? 梶山さん」
と、田村さんに声をかけられた。



「えっ?」

「さっきからため息ばっかり吐いてるから。お客様も少ない時間帯だし、私で良ければ話くらい聞くよ」

「……長くなりますけれど、よろしくお願いします」



私は田村さんに、三ツ橋くんとの手紙交換の話をした。

うんうんと頷きながら聞いてくれている田村さんが、「何それ、ドラマじゃん」と時々ツッコミにも似た口調で呟く。



「私がウザいことを書いたせいで、音沙汰なしになっちゃったんです」
と、話を締めくくると、田村さんは天井を大袈裟に仰いでこう言った。



「うーん、なんか違うんだよなぁ」