さっちゃんの足跡

 7月になると小学部では七夕祭りをやります。 賑やかに歌ったり劇をしたり、、、。
6年生は七夕の歴史を調べて報告してくれました。
 織姫と彦星のラブストーリー。 あんまりにも熱中し過ぎたから1年に一度だけ会うことが許された悲しいカップル。
今の時代にも合ってる話なんじゃないのかなあ?
 さっちゃんは短冊を持って何を書くか悩んでます。
「お願いしたいことは何でもいいんだよ。 一番お願いしたいことを書いてごらん。」
担任の杉浦先生は優しくさっちゃんに言いました。
そこでさっちゃんが書いたお願いは?

 『一日も早く大人になりたい。』ってことでした。

 杉浦先生は「フフ、。」って笑いながらその短冊を飾ってくれました。
(さっちゃんはどんな大人になるんだろうなあ?) 寮母さんもその話を聞いて思わず笑ってしまったとか。
「そんなに笑わなくても、、、。」 「ごめんごめん。 あんまりにも素直過ぎるからおかしくて。」
 さっちゃんは部屋に帰ってお母さんに手紙を書きました。

 『今日ねえ、七夕祭りをやったの。 短冊にお願い事を書いたんだよ。
一日も早く大人になりたいって。 そしたらみんなに笑われちゃった。』

 その手紙を読んだママも大いに笑ってしまいました。
「早く大人になりたい、、、科。 焦らなくても大人になるのになあ。」
 でもね、自分が子供の頃をふと思い出しました。
「そう言えば私も同じようなことを短冊に書いたんだっけ。 これじゃあ笑えないわね。」
 ママは手紙を封筒に仕舞うと溜息を吐きました。