凛が、静かに笑った。 悠翔と過ごす時間の中で、彼女は少しずつ“笑うこと”を覚えていった。 冷静沈着、無表情、無感情――そんな自分ではいられなくなった。 愛する人の前では、強さも弱さも見せられるから。 「悠翔」 「……ん?」 「私は、君を護る。これからも、何があっても。 でも……それは“職務”じゃない。……これは、私の生き方だ」 悠翔はゆっくりと頷いた。 「うん。僕も、君と生きるために、強くなるよ」 そう言って、彼は桜の花びらを一枚、凛の髪から取って微笑んだ。