よくよく考えたら、キスも、私からはしたことがない。
もし、もしね。
千紘くんがちょっとでも不安なのだとしたら、このくらいはした方がいいのかもしれない。
「……いいよ」
千紘くんが起き上がるのを見てから、ぎゅっと目を閉じて、千紘くんの唇に、少しだけ自分の唇を重ねる。
触れるだけの、軽いキス。
「……へたくそ」
唇を離して、千紘くんと目が合うと、そう笑われた。
な……っ、仕方ないじゃん。
してあげただけ感謝してよ。
「私は千紘くんみたいに上手じゃないの……!」
「じゃあ教えてあげるよ」
「へ……っ」
千紘くんはいじわるな顔をしたかと思えば、そっと唇を重ねた。
最初は触れるだけだったのに、だんだん深くなっていく。
「ん……ふぁっ、んぁ……っ」
高い声が、まるで自分の声じゃないみたい。
恥ずかしくて、目に涙がたまっていく。
唇がそっと離されると、私は千紘くんを見つめた。

