「軽くお昼食べよっか」

私がソラに提案すると、ソラがニッコリ笑って「うん!」と言った。

どこに入るか二人で話し合った結果、私がずっと気になっていたカフェに入ることになった。

さすがのソラでもお金持っていないらしくて、両親から毎月余分なくらいに送られてくるお金を使うことにした。

私はホイップがたっぷり乗っているパンケーキ、ソラはミートソースのパスタとそれぞれの飲み物を注文する。

すぐに飲み物が届いて、少しだけ口に含む。

飲み物を飲みながら色々なことをおしゃべりしていると、注文した食事が届いた。

ソラが目をキラキラさせながら食べるから、クスリと笑いながら自分のパンケーキを一口食べる。

「おいし~」と思わず口に出してしまう。

すると、ソラが私の顔に手を近づけてきて、口元をこすった。

「クリーム口についてたよ」

そう言って手についたクリームをなめるソラに少しドキッとしてしまった。

お、お、お、落ち着けっ!私!平常心を保つのだ!

そう思いながら冷静を装って「ありがとう」と言った。

「これもおいしいよ」

ソラが何もなかったようにそう言う。

「ほんと⁉パンケーキも色んなフルーツが乗ってあってとってもおいしいよ!」
「そっか。じゃあさ、一口ずつ交換しよう」

そう言ったソラは、パスタをフォークにくるくると巻き付けて私の口に近づけてくる。

「はい、あ~ん」

ソラがそう言ったので、勢いで食べてしまった。

い、今思ったけどこれカップルみたいじゃない?しかも間接キスしちゃったし!

「ほのか早く!パンケーキ頂戴?」

そう言ったソラは悪気がなさそうに笑っていた。

ソ、ソラは気にしてないんだよね……えぇぃ!もうどうにでもなれ!

やけくそになって、ホイップがたっぷり乗ったパンケーキをフォークで切り取って、ソラの口に押し込んだ。

ソラはもぐもぐとパンケーキをおいしそうに頬張る。

「うぅ~ん、甘くておいしい!俺甘いもの大好きなんだ!」

そう言ったソラはとっても幸せそうだった。

「そっか。よかった」

餌を与えられた犬に見えて微笑ましく思う。

そのあと、二人でいろいろな話をしながらご飯を食べた。

カフェを出て、ソラに似合いそうな服を見て一着だけ買ったり、私の欲しかった本を見に行ったりして楽しい時間を過ごした。