けもけもボーイズ!!～獣人たちの使命～

「いや、まあ……話したいことが、ね」

俺はそう言って微笑む。

そして、唐突にこう言った。

「俺、前にも言ったけどほのかちゃんのことが好き」

俺がそう言うと、ほのかちゃんは戸惑ったように口をパクパクさせた。

そして、少しすると、気を決したようにそれをやめて真剣な面持ちで何かを言おうとする。

俺はほのかちゃんの唇に自分の人差し指を押し当てて、口パクで「知ってる」と言う。

きっと、自分の気持ちに今気が付いたんだろう。
けれど、それは俺に向けてではない……ソラに向けてだ。

その気持ちは、俺が一番最初に聞いてはならないと思い、咄嗟にその行動に出ていた。

俺はそれに付け加えてこう言っていた。

「俺、ほのかちゃんに振り向いてほしいんだ……でも、好きな子が弱ってるところに漬け込みたくない」

俺は声色や表情に優しさを含んで、本当の気持ちを悟られないようにする。

半分嘘で半分本当。

振り向いてほしいのは、超本心だけど……弱ってるところに漬け込みたくないってのは大嘘。

本当はめっちゃ優しくして、俺だけを見て好きになってほしい。

でも、それを思うより先にほのかちゃんの気持ちを優先してしまった。

俺ってほんとお人好し。

そんなことを思いながら、俺は「それに」と言って続けた。

「ほのかちゃん、自分の気持ちにさっき気が付いたでしょ？でもね、俺からすると、その気持ちはミケと花園さんを尾行した時からあったと僕は思うんだ」

俺がそう言った時、ほのかちゃんは頬を赤らめて胸を抑えた。

すると、タイミングよく料理が運ばれてくる。