ソラはどこか複雑そうな顔をしながら、口を開いた。

「別に…、もし、ほのかがアメリカに行きたいのなら行けばいいんじゃないのか？」

その表情とは裏腹に、ソラは冷静にそう言った。

その冷静さには、どことなく突き放されるような冷たさがあった。

「なんか冷たくない？どうしたの？」

私が思ったことを素直に言うと、ソラは一瞬戸惑ったような顔をする。

その後、すぐ気を取り直したようにハッとした様子でソラは言う。

「冷たくなんかないし……！」

そう言ったソラに、どことなく怒りと焦りが含まれているように感じた。

「いやいや、冷たいじゃん！それに、なんで怒って焦ってるの⁉」
「別にそんなことないから！ていうか、そうであってもほのかに関係ないだろ⁉」
「あるよっ！なんでそんなこと言うの⁉」
「関係ないからだよっ！」
「あるもん！じゃあ何で聞いてくれないの‼おかしいじゃん⁉」

私はソラに負けじと言い返す。

ソラは私が反論してきたことに返してきて、言い合いに発展していく。

チラリとミケ、モカ、リオの三人の方を見ると、私たち二人を心配そうに見つめていた。

「もういいっ！好きにしてくれっ！」

ソラは自分の高ぶった感情をコントロール出来なくなったのか、荒くなった口調でそう言いドシドシと部屋を出て行った。

私もソラの態度に納得出来なくなって、ソファの上に丸まり、黙り込んだ。

そんな私たち二人の様子を、三人は何も出来ずにただただ見守っていた。