もう夏休みが終わり、そろそろ学校が始まる頃。

最近みんなと遊んでばかりでペットショップの手伝いに行くことができていなかったので、ペットショップを手伝いに行った。

久しぶりでいつもよりスムーズにいかなくて、自分の事情で手伝いに行かなかったことに反省する。

「ほのか～、帰る前に資料まとめるの手伝ってくれない？あと、ついでに話があるの」

私がペットショップの前を掃き掃除していると、お母さんがペットショップのドアから顔を覗かせてそう言ってきた。

「うん、いいよ」

私は軽い気持ちでお母さんに返事した。

すごく急なお願いが待っていることも知らずに。


私はペットショップの上にある事務所に行って、お母さんと資料をまとめていた。

パソコンを叩くお母さんは、どことなく不安げな複雑そうな顔をしている。

「ほのか」

お母さんを観察していると、お母さんは意を決したような顔をして私の名前を呼ぶ。

私はお母さんの出す空気を感じ取り、持っていたホチキスとプリントを机の上に置いて返事した。

「あのね……海外出張が決まったの」
「へっ？」

私はお母さんの口から出た言葉に、口から間抜けな声が零れた。

「な、なんで？急にどうしたの……？」

私は気を取り直して、けれど戸惑いは隠せないまま、お母さんに問いかける。

その問いかけに、お母さんは一拍置いてから話始めた。