私は下を向いて、嫌なことを思い出すようにポツリ、ポツリと話すリオに胸がギュッと苦しめられ、涙があふれた。

全てを話し終わった悲しそうな顔のリオが顔を上げて目が合った瞬間、私の涙腺は崩壊してしまった。

「ううっ、グスッ……リオ、辛かったね」

リオを励まそうと言った言葉なのに、涙が零れているせいで途切れ途切れになってしまって、そんな気持ちはきっと伝わらなかっただろう。

「なっ…なんでほのちゃんが泣くの?」

リオは不思議でしょうがないと言うように私に問いかける。

「だ、だってぇ……リオがそんなつらい想いしてることなんて知らなかったぁ……!」

まだまだ止まってくれない涙を流しながら、私はリオにそう言う。

「フフッ、僕のためにありがとう……ほのちゃん」

さっきとは違って落ち着いた様子でそう言うリオに、私は少し安心した。

けれど、それもつかの間、リオの目が少し潤んでいるように見えた。

私は緩めていた抱きしめる腕を強くして、「大丈夫、大丈夫。もう我慢しないでいいんだからね」とリオが安心してくれるようにそう言う。

「ううっ……グスン」

すると、リオの目からまた大粒の涙が零れ落ちてくる。

リオ、やっぱり無理してた……。

「大丈夫。無理しないで……トラウマは誰だってある。それを私に話してくれたリオは偉いよ、強いよ!」

私はそう言いながら、リオの背中をポンポンとリズムよく叩く。

リオは安心し切った様子で私の体に腕を回して抱きつき、涙を流した。

私はその様子を見ながら、頭を撫でた。

リオは気持ちよさそうにして、少しするとスヤスヤと規則正しい寝息を立て始める。

「ほのちゃん、大好きだよ……」

寝言なのか、そんなことを言うリオ。

私はどんな夢を見ているんだろう?と思い、思わず笑みを零しながら「私もだよ」と言ってリオのことをギュッと抱き締める。