「ううっ、グスッ……リオ、辛かったね」

話し終わって顔を上げると、ほのちゃんがボロボロと涙を流していた。

その涙が、一つ、二つと僕の頬に伝ってくる。

「なっ…なんでほのちゃんが泣くの?」

僕は怖い気持ちなんて忘れてそう尋ねた。

「だ、だってぇ……リオがそんな辛い想いしてることなんて知らなかったぁ……!」

そう言いながらまだまだ涙が零れているほのちゃん。

「フフッ、僕のためにありがとう……ほのちゃん」

僕はお礼を口にしながら僕のために泣いてくれるほのちゃんに胸がキュンとなった。

な、なに、今のっ⁉
キュンって……す、好きになったのかな?

僕が一人心の中で焦っていると、ほのちゃんがギュッと強く抱きしめてくれた。

「大丈夫、大丈夫。もう我慢しないでいいんだからね」

ほのちゃんは自分も涙を流しながら、僕の背中をポンポンと叩いてくれる。

僕はその優しい声音に引き始めていた涙がまたポロポロと零れ落ちてきていた。

「ううっ……グスン」

僕はほのちゃんの優しさに止まらない涙を流し続けた。

ほのちゃんの腕の中、あったかくて落ち着く……。
お母さんの腕の中みたい………。

「大丈夫。無理しないで……トラウマは誰だってある。それを私に話してくれたリオは偉いよ、強いよ!」

ほのちゃんの声を聴いていると温かい気持ちになる。

僕はいつの間にか芽生えた『大好き』という気持ちを胸に抱きしめる。

「ほのちゃん、大好きだよ……」

僕は、夢の中か現実か分からないままにそんなことを呟いた。

そして、いつの間にか眠りに落ちていた。