キッチンに入ってみんなが飲んでいたジュースをそれぞれコップに注いでいく。

「えっ!雨降ってる⁉」

ジュースを入れ終わって冷蔵庫に直していた時、リビングから驚いたようなそんな声が聞こえた。

私は驚いて、ソラの方を見る。

「あ、雨……洗濯物…⁉」

ソラもこちらを向いて、そんなことをぼそぼそと呟いた。

私たちは数秒目を合わせて、ジュースのことなんか忘れてダッシュでリビングへ向かう。

リビングのガラス製の大きな引き戸の方を見ると、引き戸を挟んだその奥で朝に干した洗濯物が雨にさらされていた。

私は驚きと焦りのあまり声を荒げる。

「わああっ!!!せ、せ、洗濯物っ‼」

ソラが呟いてた通りっ!どうしよう、ヤバッ!!

心の中でパニックになりながら、引き戸を思いっきり開けた。

「取り込む‼みんな手伝って!!!」

私は四人の方を向いてそう言い、勢いに任せて洗濯物を干しているベランダに飛び出した。

みんなは私の急な行動に一瞬驚いた顔を見せたけど、すぐに気を取り直したのか私と同じようにベランダに出てくる。

せっせと大量の洗濯物をバケツリレーのようにリビング内に入れていく。

途中、リビングの床が水浸しになっていることに気が付いたモカが洗面所の方に洗濯籠と床や体をふくための大きいタオルを数枚取りに行ってくれた。

そのあとからは二つの洗濯籠の中に洗濯物を入れる。

やっとのことで洗濯物を中に入れた私たちは、ビショビショになってリビングに入った。

「ふう~ごめんね四人とも……ビショビショになっちゃったね」

私はタオルで濡れた体を拭きながらそう言った。