「じゃあここ行くか」

俺がそう言うと、星恋は嬉しそうに頷いた。

案内板の前を出発し、何を買うかなんかを話し合いながら雑貨屋に向かう。

雑貨屋に着くと、早速中に入ってアクセサリーを見に行く。

外装もそうだったが、内装もまだまだ真新しく最新の流行りに乗っている感じだった。

「あっ、このチェーンネックレス、かっこよくない?」

星恋が楽しそうにそう言う。

「それならこのペアリングのピアスとかでもいいんじゃね?お前の兄貴、ピアス開いてる?」
「うん。でも彼女いないとね……」
「そんなこと言うなよっ」
「あははっ!」

そんな楽しいと感じられる会話をしながら置いてある雑貨を見ていく。

一旦アクセサリーは保留にして、次は食器が置いてあるコーナーに行った。

「このマグカップ、いいかもっ!最近お兄のマグカップ落として割っちゃったから……」

そう言って星恋が持ち上げたマグカップは四葉のクローバーや葉っぱが散りばめられたマグカップ。

「これは?」

俺も一つのマグカップを持ち上げる。

「あっ!いいかも。じゃあ~……」

星恋はそう言って少し離れたところにあるマグカップを手にする。

俺はそんな星恋を目で追っていると、視界の隅にあるものを見つけてしまった。

それは……コソコソとこちらを見るソラの姿。

俺は声を出しそうになったが、すぐに落ち着いて家に帰ってから事情を聴くことに決めた。

そのあと俺は芭音を含めた他の四人を見つけてしまったが、気付かなかったフリをして星恋との楽しい時間に集中した。

最終的には星と猫が書かれたマグカップとその次に見に行った腕時計を選んで会計をした。

店の人がラッピングをしてくれたので、そのまま二人でショッピングモールを後にした。

帰りは少し日が傾きかけていたので、遠慮する星恋を押し切って星恋を家まで送った。

家に帰って問い詰めようと思ったのに、俺は逆にほのかやリオに楽しかったか、仲良く選べたかなどを質問攻めにあった。

俺は知ってるクセに……なんて不貞腐れながら、素っ気なく返事をして今日の楽しかった思い出を振り返った。

そして俺は、星恋は笑顔が元気で……かわいい奴なんだな、なんて思った。