それから二日。星恋と買い物に出かける日がやってきた。

星恋が家にやって来て、ほのかとインターホン越しに少し会話する。

そのあとほのかはすぐに「ミケ~星恋来たよ」と俺に声をかけてきたので、俺は短く返事してソファから立ち上がった。

リビングから玄関へと繋がる廊下をほのかと並んで歩いていると、ほのかが何か考え事を始めたので、俺はその間に目をつぶって猫耳としっぽを消した。

玄関のドアを開けると、そこには星恋が立っていた。

「こんにちは~今日はよろしくお願いします、ミケ君」

星恋は俺のことを見ると、そう言いながら頭を下げた。

「あぁ。よろしく頼む」

俺がそう言うと、星恋は「うん!じゃあ行こっか」と笑顔で言った。

俺たち二人はほのかに見送られながら、横に並んでマンションの廊下を歩いて、エレベーターの方に歩いた。

「今日はありがとうね、ミケ君」

エレベーターに乗った時、星恋が申し訳なさそうにそう言った。

「いや、別に。それに俺も一度は断ったし……」
「そうなの⁉」

俺がそう言うと、星恋は食い気味にそう言ってきた。

「あっ、ごめん……」

すると星恋は食い気味になったことを気にしたのか、少し焦ったようにシュンと眉の端を下げてそう言った。

「ぶっ……お前、面白い奴」

俺はククッと喉を鳴らしながら、思ったことを正直に星恋に伝えた。

だってさ、一人でビビった顔して、一人で焦って、一人でシュンってしてんだぜ?
笑うなっていう方が無理だろ。

「えっ、えっ⁉そうかなぁ……?」

星恋はまた焦ったようにそう言う。

そんな会話をしているといつの間にかエレベーターが一階についていた。

俺と星恋はエレベーターを降りて、ほのかの家のマンションを後にした。