星恋と芭音が来てから一週間程経ったある日。

俺、猫又ミケはあるお願いをほのかにされていた。

その内容は、星恋が兄の誕生日プレゼントを買いに行くけど好みが分からなくて、その上男物の店にも入りにくいからついて行ってあげてほしいというものだった。

俺は面倒くさくて、当たり前のように拒否して「他の誰かに行かせればいいだろ」と反論したが、ソファでゲームしていた俺以外の獣人三人に予定を言われた。

俺はそう言われた時、少し違和感を感じた。

男物の店に入りにくいという言い分はわかるけど、そもそも会ったこと星恋の兄の好みなんて俺なんかが知るはずもない。

それに、モカとリオが散歩に行くところを見たことがないし、ソラなんかだったらゲームはいつでもできるんだから、快く了承して星恋について行ってくれるはずだ。
その上ほのかがこんなにしつこく言ってくることは今まで一度もなかった。

全て踏まえて絶対に何かある。

面倒くさいと思った俺だったが、何かあると見た。

それでも一応、もう一度拒否する。

が、ほのかが今度は「行ってくれたら好きなものを買ってあげる」と物で釣ってくる。

俺は表情を渋々、耳やしっぽの動作はうれしい、楽しみという動きをして腹の内を察されないような動作をする。

うれしそうに目を輝かせたほのかや他の三人を見て、これは確実に何かがあると確信しながら心の中でニヤリと良くない笑みを浮かべた。