最後は…と思い、モカの後ろに隠れているこの方を見る。

「え、えと………僕、有栗鼠(ありす)リオです。昨日助けてもらったリスです。昨日はありがとう」

そう言ってふんわり笑ったリオは、他の三人より幼さがある。

髪は琥珀色で、目もきれいな琥珀色。
リスだからか、しっぽが体の二分の一以上ある。
それに、顔もだけど体も三人よりか、はるかに幼い。めっちゃ小動物って感じ。

私もチビで、クラスで背の順に並んだ時は絶対に女子の列の一番最初なんだけど、そんな私より少し小さいんだ。

って、そんなことより!普通になじんでるけどなんで人間の姿になってんの⁉

「あの、なんでそうなったの?人間とおんなじような姿」

心の中で疑問に思ったことを口にする。

「えっと、信じてもらえないかもしれないかもだけど……」

ソラが頬をポリポリとかきながら、気まずそうに言う。

「実は俺たち、獣人族なんだ。獣人っていうのは、人の姿に動物の耳やしっぽなんかがが生えてるのが本来の姿なんだけど、そういう動物の特徴となるものを隠すことができたり、その動物になったりすることもできるんだ」

へぇ~……獣人なんだぁ……ってはぁ⁉

「え、え、え、えっ⁉じゅ、獣人?」
「ごめん、急だし信じれないよね」

驚いて声を荒げた私をなだめるようにモカがそう言う。

「あ、え、私もごめんなさい。朝なのに声を大きくしてしまって……」

私も反省して四人に謝罪した。

「でも、そんな獣人さんたちがどうしてここに?住むところとか、あるんじゃないですか?」
「それはな、話すと長くなるんだが……」

私のそんな質問には、ミケが答えてくれた。

ミケが言うには、獣人には獣人たちの森があるらしく、ある日、その森に人が侵入してきたらしい。
人間が侵入してきた森の出入り口の近くに、四人で木の実を取りに来ていたそうだ。
獣人には、警戒心が高まりすぎたり疲れすぎたりすると一番体力を消費しない動物の姿になるらしくて、その時にみんな即座に動物の姿になったんだけど、結局見つかっちゃって捕獲された、と。