あれ?なんだか素っ気ないなぁ………?

そんなことを思いながら、かばんの中に入れていた折り畳み傘をバサッと広げる。

傘の持ち手を自分の胸あたりまで持ってきて、前からは完全に私の顔が見えないようにした。

ソラはサングラス、リオは体に合わない大きなハットをかぶっているけれど、モカと芭音は日差し除けグッズおよび変装グッズを持っていなかったためか、電柱や室外機にササッと身を隠しながら探偵のように進んでいく。

あんなんしたら逆に目立つしバレるよ。
モカ普通に尾行楽しんでるし……。

そう思い、冷たい目を二人に向ける。

「モカあれだけ心配しておいて……すっごい楽しんでるね」

リオがパタパタと手で顔を仰ぎながら私にそう言ってくる。

「ねぇ……同じこと思ったよ」

リオにそう返す。

「俺らもあんなことしなくてもバレる可能性あるからな。気を付けよう」

ソラがそう言い、ソラも含めたその場にいた三人はそれぞれ変装グッズを着け直し、持ち直した。