『じゃあそろそろ退出するね。今日はありがとう!みんな』

お出かけ当日のことをすべて決め終わり、星恋が満面の笑みでそう言った。

星恋は『じゃあね~』と言いながら、ビデオ通話の画面からいなくなる。

その瞬間画面が二つに分かれ、私と芭音の二人だけになった。

詳しく言うと、私の画面にソラ、モカ、リオの三人もいるんだけどね。

「あのさ、私……星恋って恋愛経験皆無だから出かける日がめちゃくちゃ心配で……」

私は星恋が退出したことを確認すると、四人に不安をぶつけた。

『わ、私も!星恋ちゃんって恋について全然積極的じゃなかったし……』

芭音も困ったように眉の端を下げる。

「……どうする?」

リオがそう言った。

「……う」

ソラが小声で呟く。

「えぇっ!尾行するの……?バレる気しかしないんだけど」

私が何と言ったのか聞き返そうとしたとき、耳の良いモカがうさ耳をピクリと動かしながらそう言った。

『び、尾行⁉』

画面の中の芭音も驚いたようにそう言った。

う~ん、でも心配だし……見守るにはそれしかないよね……。