「ほのかちゃん！今日は俺とお出かけだよ」

お昼を食べ終わったころ、モカが私にギュッと抱き着いてきた。

「そうだね。どこ行くか決めてる？」
「もちろんだよ。この二日間でテレビとかほのかちゃんの、たぶれっとってやつとかでここら辺のこといっぱい調べたんだ」

そう言って微笑むモカ。

「そろそろ行きたいな～」

目をキラキラさせながら小さなしっぽを振ってそう言うモカ。

「じゃあ、着替えてくるね」

私もそう言って部屋に戻って服を着替える。

靴擦れしにくいサンダルを一つだけ持っているから、今日反省を生かしてそれを履くことにした。

そのサンダルがかわいいから、それに合わせて今日の服もかわいくコーディネートする。

胸くらいまで伸びた髪をお団子に結って部屋を出た。

玄関から「早く～」というモカの声が聞こえたので、リビングに向かおうとしていた体を方向転換して、玄関に向かった。

サンダルを履いていると、「靴擦れ、大丈夫なの？」と心配したようにモカに言われる。

「うん。心配してくれてありがとう。絆創膏貼ってるし、靴擦れしにくい靴だから大丈夫だよ」

安心してもらえるように笑顔でそう言うと、モカが笑って安心したように息を吐いた。

「よかった。昨日ほのかちゃんとリオが出かけたあとに、ミケが言ってきてさ……超心配したんだ」

そう言ってはにかむモカはいつもとは違って、少しかっこよく見える。

靴擦れが治っていないからか、歩くのが遅い私にモカは合わせてくれながらモカについて行った。

「ここだよ」

数十分後、そう言ってぴたりと立ち止まってこちらを振り向くモカ。

モカの後ろを覗き見ると、満開に咲いたひまわり畑が広がっていた。

「わあっ、すごくきれい！」

ひまわりの元気な黄色が眩しくて、思わず目を細めた。

「そうでしょ？ここを抜ると坂があるんだけど、その上に展望台とお店があるからそこでアイス食べながら話したいなって思って！」