リビングに戻ると、昨日のソラと同じように、ミケの服と姿が変わっていた。

家を出る前に昨日と同じ言葉にプラスして、残った三人のご飯を用意していなかったという昨日の失敗繰り返さないように、保存してあるカレーを食べておいてほしいということを伝えた。

三人が揃って「は~い、いってらっしゃい!」と言ってくれたので、安心して家を出た。

「ミケ、どこ行きたい?」

私がそう聞くと、しばらく無言が続いて少し不安に思っているとミケが急に言葉を発した。

「昨日寝れなかくて散歩行ったって言っただろ。その散歩のときにいいところ見つけたから忘れる前にもう一回行きたくてさ。ほのかと出かけるから丁度いいかなって」

そうスラスラ説明したミケ。

「えっ、ほんと⁉ずっとこの町に住んでる私でも知らない?」
「多分知らねぇ……でもその代わり結構長い距離歩くけど大丈夫か?」
「全然大丈夫!一ヶ月前にペットキャリー忘れて、大きめのメインクーン抱っこしながら一キロ以上歩いて飼い主さんに届けに行ったから!」
「例えが猫なんだな」
「まぁ……ミケが猫だから」
「なんだよそれ」

そんな他愛もない話をしながら歩いていると急に階段が現れて、ミケが「ここ登ったらあるぞ」と言う。

始めは勢いよく上り始めたけど、少しずつ疲れが出てきたのか息が上がってくる。

しかも、今日は服がワンピースで、それに合わせて靴もサンダル系のヒールにしたから足が全然進まない。

階段が一区切りのところで踊り場になったとき、急にかかとやくるぶしに痛みが走る。

急激な激しい痛みに思わず顔を歪めて、しゃがみ込む。

「ミ、ミケ。ちょっと待って、足痛い」

そう言ってミケを呼び止める。

「どうした?」

ミケが心配したようにこちらに駆け寄ってきてくれる。

「多分靴擦れした……ごめん、動けない」

そう言いながら泣きそうになる。

すると、ミケが急にしゃがんで私に背中を向けてきた。

「ん」
「?」