「ミケ～もう朝だよ？」

翌朝、獣人たちに「使っていいよ」と言って貸している部屋のドアを開けて部屋の中を見回す。

なぜなら、ミケが珍しく一番早くに起きてこなかったからだ。

猫は薄明薄暮性のはずだから、この時間は活発なはずなんだけど。

そんなことを思いながら、部屋に入っていく。

すると、一番奥の窓際でミケが猫の姿になって眠っていた。

寝顔がかわいくてスマホで写真をパシャパシャ撮っていたら、シャッター音で目を覚ましたミケが毛を逆立てて威嚇してきた。

「え、あ、ごめんねミケ。写真苦手だったんだ」

そう言ってスマホをしまうと、その間にミケが急に人間の姿になっていた。

「俺、写真が嫌いってわけじゃねえけど、なんか本能的に……ごめん」

まだ眠いのか目をこすりながらそう言ってきたミケ。

「そうなんだ！できるだけやらないようにするね」
「……サンキュ」

そう言ったミケは、私からスッと目線をそらす。

「あっ、そうだ！今日どうしたの？いつも一番早いのに」

ずっと疑問に思っていたことを質問する。

「あぁ……昨日の夜になかなか寝付けなくて、外の空気が吸いたくて猫の姿になって散歩してたんだ。それで家に帰ったらめっちゃ時間経ってて、寝たの三時間前」

そう言ったミケは苦笑いをする。

「えっ、まだ全然寝てないじゃん！起こしに来ちゃったけど、もうちょっと寝とく？」

私がそう聞くとミケが「大丈夫だ」と言いながら首をフルフルと振った。

「じゃあ早くリビング行こう！みんなでミケが来るまでご飯食べずに待ってたんだ」
「そ、それはすまん。先行っといてくれ」

そう言いながらミケに部屋から出された。

えぇ～？追い出す必要ある～？

そんなことを不満に思いながらリビングに向かう。

リビングに入ると、みんなが楽しそうに話しながら朝のテレビを見ていた。

みんなに近づいて「ミケ起きたよ」と報告する。

私が言ったことを聞いて安心したようなみんなを誘って朝ご飯の準備をする。